ランニングを始めてしばらく続けていると、こんな気持ちが出てきませんか?
『もっと速く走れるようになりたい』
『マラソン大会に誘われたから、少しタイムも意識したい』
『ただ走るだけじゃなく、練習に変化をつけたい』
『ビルドアップ走や閾値走って、どんな練習なの?』
最初はLSDのように“ゆっくり長く走る”だけでも十分ですが、少しずつスピードを意識した練習を取り入れると、走る楽しさや成長をさらに実感できます。
そこでおすすめなのがビルドアップ走です。最初はゆっくり、そこから段階的にペースを上げていくシンプルな練習。体に無理なく負荷を高めながら、持久力とスピードを一緒に鍛えられます。
LSDを経験して次のステップに進みたい人にも、大会を目標にスピードをつけたい人にもぴったりです。
ビルドアップ走とは?

名前の意味と基本の流れ
走るペースを少しずつ上げていく練習です。最初はジョグのようにゆったり入り、徐々にスピードを高め、最後は“気持ちよく速く”で終えるのが基本。
スピード練習の中では負担が比較的少なく、ケガをしにくいのが特長。いきなりインターバルが不安な人でも安心して取り組めます。
ランニング練習のステップでの位置づけ
ビルドアップ走は、スピード練習の入り口として取り入れやすい方法です。
ランニング練習全体で見ると、
ゆっくり長く走ってスタミナの土台を作る
前半はゆったり、後半に向かってペースアップ。持久力+スピードを同時に強化
速いペースを繰り返して走力を引き上げる。強度は高め
👉 ビルドアップ走は「土台を作ったあと、次のスピード練習へ進むためのステップ」にもなりますが、練習そのものでも十分な効果があります。
定期的に取り入れることで、着実に走力アップにつながる練習です。
➡️ なお、ビルドアップ走に挑戦する前にスタミナを養っておきたい方は、まずは**LSDのやり方をこちらの記事でチェック**してみてください。https://tomoran.com/lsd/
ビルドアップ走のやり方(初心者編)

まずは5kmから始めよう
まずは5kmから。余裕が出たら8kmへ。走り出す前に5〜10分のゆるジョグ+動的ストレッチを。
「前半はゆったり、後半は自然にスピードを上げる」という流れを意識しましょう。
✅ 具体的な例をこちらにまとめました。気になる方は開いてチェックしてみてください。
初心者向け:5km・8kmのビルドアップ走の例
5kmの例(所要時間:約30〜35分)
区間 | ペースの目安 | 体感の目安 |
---|---|---|
1〜2km | 7:00/km前後 | 会話ができる余裕 |
3〜4km | 6:30/km前後 | 呼吸が弾むが続けられる |
5km | 6:00/km前後 | 息が荒くなるが押し切れる |
8kmの例(所要時間:約50〜55分)
区間 | ペースの目安 | 体感の目安 |
---|---|---|
1〜3km | 7:00/km | 会話できるペース |
4〜6km | 6:30/km | 呼吸が弾むが余裕あり |
7〜8km | 6:00/km | 息が荒いが最後まで走れる |
大切なのは、前半より後半を少し速く走ることです。
数字はあくまで目安なので、自分のジョグより少し速め → 最後はがんばれば続けられるくらい、とイメージすれば十分です。
練習後には必ずダウンジョグ
そして走り終えたら、必ず5〜10分ほどのダウンジョグを入れましょう。
急に止まると心臓や筋肉に負担がかかるため、ゆっくりジョグやウォーキングで体を落ち着かせることが大切です。
ビルドアップ走の注意点

週に1~2回のスピード練習の中でとりいれる
ビルドアップ走は効果的なスピード練習ですが、毎回取り入れる必要はありません。
初心者なら 週に1回を目安に、慣れてきたら 週に1~2回でも十分です。
ランニング全体ではジョグやLSDなどの「基礎作り」と組み合わせて、週1〜2回のスピード練習のうちの1つとしてビルドアップ走を取り入れるのがおすすめです。
インターバル走など強度の高い練習に比べて体への負担が少なく、ケガをしにくいのもメリットです。
ペースの上げ幅は人それぞれ
また、ペースの上げ幅は人それぞれ。
1kmごとに30秒上げる人もいれば、10〜15秒ずつ上げる人もいます。
大切なのは「前半よりも後半が少し速い」という流れで、無理に数字を守る必要はありません。
体調の悪い時には無理はしない
そして、体調がすぐれない日や疲れが残っている日は無理をせず、思い切って休むことも大切です。
“継続して取り組めること”が一番の効果につながります。
ビルドアップ走で得られる効果

ビルドアップ走は、シンプルな練習法ながら効果は幅広く、初心者にも取り入れやすいのが特徴です。
持久力の向上
前半ゆったり走ることでスタミナを温存し、後半に向けてじわじわスピードを上げることで、長い距離を走り切る力が養われます。
後半の粘り強さが身につく
レースでも後半にペースを落とさず、むしろ上げていける“ネガティブスプリット”の感覚を体で覚えることができます。
スピード持久力の強化
息が弾むペースで走る時間が自然に増えるため、インターバルほどきつくはないけれど、スピード持久力を効率よく高められます。
ペース感覚を養える
走りながら「余裕がある/少しきつい/ラストまで押せる」といった体感とペースを結びつけられるので、時計に頼らず走れる感覚が身についていきます。
この効果をまとめると、ビルドアップ走は「長く走る力」と「速く走る力」の両方をバランスよく鍛えられる万能トレーニングです。
特に大会を目指すランナーにとって、レース後半に粘れる力は大きな武器になります。
まとめ:やり切ることで得られる自信
ビルドアップ走はきつさもありますが、やり切れたときの達成感は大きな自信につながります。
私自身、スピード練習では次のことを心がけています。
- 疲れている時には無理して行わないこと
- 「少しきついけれど必ずやり切れる」くらいの設定にすること
なぜなら、体が疲れているときに無理するとタイムが落ちて自信をなくしてしまうからです。逆に、やり切れたときの爽快感は何にも代えがたいものがあります。
初心者の方も、週に1回の練習で構いません。無理のない範囲で続けていけば、後々「走る力」だけでなく体への大きな効果を感じられるはずです。
まずは 5kmのビルドアップ走から挑戦してみましょう。走り終わった後の爽快感を味わえたら、あなたのランニングはきっと一段階レベルアップしますよ。
その次のステップが、スピードを一気に引き上げるインターバル走です。詳しいメニューは次回の記事で紹介します。
LSDについての記事はこちら👇
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