ランニングを続けていると、
「同じペースばかりでマンネリしてきた」
「走る距離は伸びてきたけど、タイムがなかなか縮まらない」
「短い時間でトレーニング効果のある練習ってないの?」
そんな悩みや疑問が出てきませんか?
距離を重ねるだけでも走力は少しずつ伸びます。
でも、さらにスピードを上げたい、限られた時間で効率よく力をつけたい――
そんなときに役立つのがインターバルトレーニングです。
「インターバルトレーニングってよく聞くけど、どんな練習なの?」
と気になったことがある人も多いはず。
この記事では、マラソンでタイムを狙うランナーも
運動不足解消からステップアップしたいジョガーも、
安全に始められて効果を実感できるインターバルトレーニングの基本と
初心者向けメニューを詳しく紹介します。
インターバルトレーニングとは?

速いペースとゆっくりのペースを交互に繰り返すランニング練習です。
例えば400mを速めに走ったあと200mをジョグ(または歩き)でつなぎ、これを数本行うのが代表的。1本ごとに休息を入れることで、短時間でも高い強度の刺激を何度も体に与えられます。
インターバルトレーニングの効果
インターバルトレーニングは、ただスピードを鍛えるだけの練習ではありません。
速いペースとゆっくりのペースを交互に走ることで、心肺機能・筋力・代謝など複数の要素を同時に刺激できます。
以下のような効果が期待でき、マラソン大会を目指す人にも、健康目的で走る人にもメリットがあります。

1. 心肺機能の強化
速い区間とゆっくり区間を繰り返すことで心拍数が上下し、心臓や肺の機能が効率的に鍛えられます。
その結果、息切れしにくい体になり、今までより長い距離を速く走れるようになります。
2. スピード持久力の向上
高強度の走りを繰り返すことで、速いペースを維持する筋力やエネルギー供給能力が強化されます。
マラソン後半の失速防止や、5km・10kmレースのタイム短縮に効果的です。


3. ランニングフォームの改善
速いペースでは自然とピッチ(回転数)やストライド(歩幅)が整い、無駄の少ない最善フォームが引き出されます。繰り返すことで体が記憶し、普段のジョグでも少ない力でスピードを出せるように
4. 脂肪燃焼・代謝アップ
短時間で心拍を高く保つため消費カロリーが増え、練習後もしばらく代謝が高い状態(アフターバーン)。ダイエットサポートにも有効。


5. メンタル強化
速い区間を何度も走るインターバルは、体だけでなく心にも負荷がかかります。
「あと1本」という状況を乗り越えることで、粘る力や集中力が養われ、レース本番の自信につながります。
インターバルトレーニングは、心肺強化・スピード持久力アップ・脂肪燃焼を短時間で同時に得られる、ランニング練習の中でも効率の高いメニューです。
距離を伸ばすだけの練習にプラスすることで、走力の伸びを一段と加速させることができます。
LSD・ビルドアップ走との違い
LSD・ビルドアップ・インターバルの比較表
練習 | 特徴 | 効果 |
---|---|---|
LSD | 長い距離をゆっくり | スタミナ&心肺強化・怪我予防 |
ビルドアップ | 徐々にペースアップ | スタミナ・スピード・メンタル強化 |
インターバル | 速い+ゆっくりを繰り返す | スピード&持久力強化・他多数 |
つまり、LSDは“持久力の土台”、ビルドアップは“粘り”、インターバルは“スピード”を磨く練習とイメージしてください。
初心者向けインターバルトレーニングメニュー例
距離ベース(まずは“少なめ”から)
- 400m × 3〜5本:400m速め → 200mジョグ。まずは3本、慣れたら5本。
- 1km × 2〜3本:1km速め → 400mジョグ。心肺への刺激が強いので本数は少なめ。
速めの目安:普段のジョグより1kmあたり30秒〜1分速い。
休息は呼吸が軽く整う程度で次へ。完全に落ち着くまで休むと効果が薄れます。
5km目標タイム別・400mのペース早見表
5kmの目標タイム | 1kmペース | 400m換算 | 400m速め区間の目安(+20秒/km) |
---|---|---|---|
30分(6:00/km) | 6分00秒 | 2分24秒 | 約2分30秒 |
35分(7:00/km) | 7分00秒 | 2分48秒 | 約2分55秒 |
40分(8:00/km) | 8分00秒 | 3分12秒 | 約3分20秒 |
- 「+20秒/km」は“やや余裕を持った速め”の設定例。
- 目標タイムが決まっていない場合は、普段のジョギングより1kmあたり30秒〜1分速めを参考に。
時間ベースのインターバル(GPSなしでもOK)
距離を測れない場所でも、時間で区切れば同じ効果が得られます。
目安は「呼吸が苦しいけど会話がギリギリできる速さ」でOK。
- 1分速め+1分ジョグ × 6〜8本:初心者でも挑戦しやすい定番。
- 2分速め+2分ジョグ × 4〜6本:速め区間をやや長めに、心肺へじわっと刺激。
休息は呼吸が軽く整う程度でスタート。完全に落ち着くまで休むのはNG。
実践のコツ
- ウォームアップ必須:ジョグ10分+動的ストレッチ
- 週1回から:疲労を翌日に残さない
- 余裕を残して終える:最初から全力はNG。7割程度の強度で。
「距離でも時間でも、まずは週1回・余裕を残して終えることが継続のコツです。」
ただし、強度が高い分だけケガのリスクもあるため、次に注意点を確認しておきましょう。
ケガを防ぐための注意点
インターバルトレーニングは短時間で大きな効果を得られる反面、
普段のジョギングより体への負荷が高く、筋肉や関節へのダメージが大きくなります。
以下のポイントを守ることで、ケガを防ぎながら安全に続けることができます。
- 週1回から:余裕があっても「もう1本」より少なめで終了。
- 丁寧なウォームアップ:ジョグ10分+動的ストレッチ+流し100m×2〜3本。
- クールダウン:ジョグ5〜10分→ふくらはぎ・ハム・臀部の静的ストレッチ。
- 無理なペースは避ける:ジョグより30秒〜1分速い目安/休息は軽く整うまで。
- 休養日の確保:インターバル後48時間は高強度を入れない。
- 体調・環境で柔軟に:違和感があれば中止/暑熱・強風時は距離・本数を削る。
👉 関連記事:[ランニング前にやっておきたい動的ストレッチ]
ランニング練習の強度マップ
ここで各練習メニューの強度を表にしました。
ランニング練習 強度マップ
練習メニュー | 目的 | ペース目安(主観的強度) | 心拍ゾーン※ | 負荷レベル |
---|---|---|---|---|
ジョギング(EASY) | 回復・基礎体力 | 会話が余裕でできる | Z1〜Z2 | ★☆☆☆☆ |
LSD(ロング・スロー・ディスタンス) | 持久力強化 | ジョグよりやや遅め | Z1〜Z2 | ★★☆☆☆ |
ビルドアップ走 | ペース感覚・後半の粘り | 徐々にジョグ→マラソンペース | Z2〜Z3 | ★★☆☆☆〜★★★☆☆ |
テンポ走(閾値走) | 乳酸耐性・マラソンペース強化 | 「少しキツいが20〜40分維持可」 | Z3〜Z4 | ★★★☆☆ |
インターバルトレーニング | 心肺強化・スピード持久力 | 5kmペース前後の速めを短く繰り返す | Z4〜Z5 | ★★★★☆ |
レぺティション(Rペース) | スピード強化・フォーム改善 | 1km以下をほぼ全力 | Z5 | ★★★★★ |
※心拍ゾーンは最大心拍数に対する割合の目安
Z1:60〜70%、Z2:70〜80%、Z3:80〜87%、Z4:87〜93%、Z5:93%以上
インターバルトレーニングは**「疲労を翌日に残さない」**が大原則。
「週1回・ウォームアップ徹底・軽めの休息・翌日は回復」を守れば、
初心者でもケガなく効果を実感しながら安全に続けられます。
実践のコツ・練習頻度
ここからは、1週間の練習メニュー例を紹介します。
初心者向けと、マラソン大会を目標にしている方向けに分けています。
あくまで一例なので、体調や走力に合わせて無理のない範囲で調整してください。
週単位の練習例
1週間メニュー例(初心者向け)
曜日 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
月 | 軽めジョグ20〜30分 | 気持ちよく会話できるペースで |
火 | スピード練習 インターバル(400m×3〜4本)など | 気持ちを入れて |
水 | ジョグ30〜40分 | 疲労が残っていなければ実施 |
木 | 休養 | 無理に走らない |
金 | ジョグ30分 | 気持ちがいい速度で |
土 | LSD(60〜70分ゆっくり) | 長く走る感覚に慣れる |
日 | 休養 | 筋肉をほぐす |
1週間メニュー例(マラソン大会を目標にする人向け)
曜日 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
月 | ジョグ40〜50分 | フォームを意識してリラックス |
火 | インターバル(1km×3〜4本)or(400m×8~10本 | 5km・10kmレースペースを目安に |
水 | 休養 | 前日の疲労をしっかり抜く |
木 | ジョグ30分 | 疲労が残っていれば休みに切替 |
金 | テンポ走(20〜30分)orビルドアップ走 | マラソンペース付近で一定に |
土 | LSD(90〜120分) | マラソンの土台作り |
日 | 休養 | 前日の疲労をしっかり抜く |
練習頻度のコツ
初心者は週1回のインターバル+ジョグ中心
大会を目指す人はインターバル+テンポ走+LSDを組み合わせ
どちらも「休養」を軽視せず、無理なく続けることが最優先
まとめ
インターバルトレーニングは、短時間で心肺機能やスピード持久力を高められる効率的な練習です。
ただし負荷が高いため、週1回から・余裕を残して終えるのが継続のコツ。
初心者なら「400m×3本」や「1分速め×4本」から、
大会を目指す人なら「1kmインターバル」や「テンポ走+LSD」と組み合わせて。
大切なのは、無理せず自分のレベルに合った強度で続けることです。
少しずつ取り入れていけば、
「今より長い距離を、今より速く」走れる自分に出会えるはず。
次のランニングから取り入れてみましょう。
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