ジョギングと聞くと「足で地面を蹴って前に進む」とイメージする人が多いかもしれません。
実際、初心者ランナーの走りを見ていると、足を“前へ前へ”と出そうとしている人も少なくありません。
しかし、効率よく無駄な力を使わずに走るためには、
足を前に出すのではなく“体の真下に落とす”イメージを持つことが大切です。
地面を強く蹴るよりも、体の軸を保ち、重心の移動で自然に前へ進む。
これが、疲れにくく長く走れるフォームの基本です。
私自身、ランニングを始めてからマラソン大会でサブ3.5を達成するまで、
フォーム改善に何度も取り組んできました。
足の使い方・腕振り・姿勢の微調整を繰り返し、
多くのランナーやインフルエンサーから学びながら試行錯誤を重ねるうちに、
たどり着いた答えはシンプルでした。
「蹴らずに進む、自然なフォームこそ最も効率的で楽な走り方。」
この記事では、初心者ランナーが疲れにくく継続しやすいフォームを身につけるための
具体的な方法をわかりやすく解説します。
初心者ランナーが知っておきたいランニングフォームの基本姿勢

1. 頭を上に引っ張られるイメージで立つ
頭頂部を上から糸で引っ張られるような感覚を持つと、自然に背筋が伸びます。
肩の力を抜いて、胸を少し開くようにするとリラックスできます。
2. 腰を軽く前に押し出す(自然な前傾姿勢)
股関節を少し前に押し出すと、上体がわずかに前傾します。
このとき背中が反らないよう注意しましょう。
自然な前傾ができると、足が勝手に前に出る感覚がつかめます。
💡 お尻の少し上を誰かに軽く押してもらうと、
“股関節を前に出す感覚”がわかりやすいです。
「足で蹴らない」走り方を身につけよう
多くの初心者がやりがちなのが、「地面を強く蹴って進もう」とする走り方です。
また、走るときに足首を伸ばして、つま先で地面を掻いて前に進もうとする人も多く見かけます。
しかし実際には、足で蹴らず、体の重心移動で前に進むことが理想です。
足は後ろに掻くのではなく、真下に落として“自然に押し出される”ように走るのがポイントです。
足を動かすときの意識ポイント
- 大転子(腰骨の下)を中心に脚を動かす
- 膝から下は“意識しない”
- 足首は固定しすぎず、脱力しすぎず
初心者のうちは足首がダランと下がることがありますが、
慣れると自然に“程よい固定”ができるようになります。
💡 足首を無理に伸ばしてつま先で地面を掻くのではなく、
着地した足は足全体を伸ばして、踵で軽く押し出すイメージで走りましょう。
そうすることで、ふくらはぎへの負担が減り、推進力を自然に生み出せます。
着地のコツ
- 体の真下に足を落とすイメージで
- つま先やかかとを意識せず、足裏全体で地面を感じる
- 「足を下ろす」「足を離す」イメージで、地面を蹴らない
このフォームが身につくと、ふくらはぎに余計な力が入らず、
脚全体でスムーズに衝撃を吸収できるようになります。
✅ お尻や太ももの裏が筋肉痛になったら、
“正しいフォームで走れているサイン”です!
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疲れにくくリズムが安定する腕振りのコツ
腕の振り方も、フォーム全体のリズムを作る大切な要素です。
力まず、体幹と連動させるように動かしましょう。
腕振りのポイント
- 前ではなく“後ろ”に振る意識で!
- 肘を体の前に出さず、体の後ろで軽く三角形を描くように
- 腰のあたりで手を軽く叩くイメージでリズムを取る
この動きができると、上半身のブレが減り、自然にピッチ(歩数)も安定します。
初心者が“楽に走り続ける”ための工夫
ランニングを習慣化するために最も大切なのは、**「楽に走ること」**です。
最初からスピードを意識しすぎると、息が上がって苦しくなり、続かなくなってしまいます。
ここでは、初心者が“気持ちよく走り続ける”ための2つのポイントを紹介します。
1. ゆっくりジョグからスタート(1km8〜9分=歩くより少し速いペースでOK)
最初はスピードよりも「楽に走る」ことを優先しましょう。
1kmあたり8〜9分ペースでも十分です。
これは**歩くより少し速いくらいのペース(1kmを歩くと約12分ほど)**なので、
息が上がらずリラックスして走れます。
最初は10〜30分を目安に、「まだ走れそう」くらいの余裕を残すのがポイント。
焦らず、ランニングの“気持ちよさ”を体に覚えさせていきましょう。
💡 疲れないペースで終えると、「また走ろう」という気持ちが自然に生まれます。
ランニングを長く続けたい人ほど、“物足りないくらいで終える”のがコツです。
2. ピッチ(リズム)を意識して走る
慣れてきたら、1分間に約180歩のテンポを意識してみましょう。
一定のリズムで走ることでフォームが安定し、呼吸も乱れにくくなります。
YouTubeなどで「メトロノーム 180BPM」と検索すると、
ピッチの感覚をつかみやすい音がたくさんあります。
最初はテンポに合わせて“足を真下に落とす”ことだけ意識すればOKです。
💡 なぜ180歩が理想なのか?
それは、このテンポが地面への接地時間を短く保てる理想的なリズムだからです。
接地時間が長くなると脚への負担が増え、反発を活かしにくくなります。
180歩前後のテンポなら、軽い接地で弾むように走れるため、
無駄な力を使わずに効率よく前へ進めます。
ピッチを一定に保つと脚の動きが整い、
**「無理なく速く走れるフォーム」**の基礎にもつながります。
まとめ:遅くてもOK、楽しく続けることが最優先
ランニングの基本は「速さ」より「楽しさ」。
1km8〜9分でも、続ければ体力は必ずついてきます。
最初の1か月はペースよりも、「走る時間」と「気持ちよさ」を重視してOKです。
✔️ 無理にスピードを上げない
✔️ 疲れないペースで終える
✔️ リズムを保ち、足を真下に落とす
この3つを意識すれば、走ることがどんどん心地よくなっていきます。
“頑張る走り”ではなく、“続けたくなる走り”を目指していきましょう。
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「駆けっこはいつもビリの少年時代を過ごしていたのに、50歳を過ぎてから一念発起し、短期間でサブスリーを達成したみやす氏」。
これまでのランニング本とは違い、“経験よりも感覚”を大切にした視点で書かれており、
初心者でも「走ることの本質」を楽しく学べます。


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